onsa letter #5

onsa letter #5

みなさんこんにちは、onsaです。
「健康とはなにか」をテーマに情報をお届けするonsa letterの第5弾。
今回のテーマは「熱」についてのおはなしです。

 


〜こころとからだの「熱」について〜

中医学では世の中のすべては陰陽の法則の上に成り立っていると考えられています。月と太陽、女性と男性は陰陽の代表的なシンボルです。人間のホルモン分泌は、睡眠や覚醒の時刻に関わらず、陰陽の光や音のリズムに同期しています。例えどんなに早く寝たとしても、成長ホルモンは22時〜2時の間に分泌されることが科学的に解明されています。さらにそのリズムの上に、食事や睡眠、そしてストレス(収縮)とリラックス(弛緩)による心身の「熱のリズム」が人間の健康に深く関与しています。


夏の野菜はその土地に生きる生物の心身を冷やし、冬の野菜は心身を温めます。また一日という時間の中でも熱のリズムがあります。朝の日の出と共に大地は熱され、小鳥たちがさえずります。夕方になると太陽の光が月の光に変わり、夜の虫やカエルたちの鳴き声が訪れ、大地の熱は冷まされていきます。


パソコンや携帯などのブルーライトは、日中の太陽の青い光と同じ効果を与えると言われており、夜に携帯を見る、脳で昼間用のホルモンが分泌されます。電子機器の長期使用は覚醒作用があり、入眠障害の原因になります。土地柄の違う食べものを食べ、家に帰ってもストレスを感じるような活動をしていると、体内の「熱のリズム」が、自分の生きる大地とずれて来てしまいます。

 

 


〜 現代人は熱をためやすい〜

 このように現代社会は自然界のリズムとずれてしまう傾向にあり、「熱」をため込む状態に陥りやすくなっています。夜も煌々と青白い光が溢れ、持続的なエンジンやモーター音が一日中身の回りに存在します。都会に生活していると、夜のしずかな音や光を感じることができません。すると、身体は夜(陰)の時間に熱(陽)を冷ますことができず、心も家庭や宇宙(陰)の世界へ解放されることなく、社会(陽)から離れることができなくなってしまいます。

 

 現代の食事に目を向けてみると、わたしたちが子どもだった30年前頃は高価でご馳走だったはずのお肉(陽)が、いまや野菜(陰)よりも安くなり、外食をすると肉以外の選択肢が難しくなるほど日本の食文化は激変しました。食べもの価格が下がるということは、薬品や遺伝子組み換えによって、発酵や成熟のためにかかる時間を減らしたり、機械化をして収穫効率を上げ、雑草が生えるのを農薬で防ぐなどして、人間の労働力を減らしているからです。効率の良い肉の収獲のために、高エネルギーな遺伝子組み換えのトウモロコシを食べさせられ、広い牧草地ではなく、狭い牛舎で熱を発散することもできなくなった家畜の体は、以前よりも熱(陽)を持った状態になっています。これは漢方治療をしていると熱を除去する治療で改善することからわかってきたことです。

 

心身が現代的な生活の中で、熱が過剰にたまった状態の方は、乳製品をはじめ、動物性の脂肪はアレルギーや過食といった体内の「熱」が原因である症状を悪化させる要因になります。特にこれらの食べものは、たまに摂る程度なら良いのですが、「からだに良い」という宣伝の影響で、毎日とることが多いため、気づかずに摂取し続けていると、症状は非常に強くなります。少しでもアレルギーに悩まされている人は、毎日とっている乳製品を控えてみましょう。大事なことは無意識のうちに毎日さらされている微量かつ持続的なストレスに気づいて、そこから回復する時間や手段を設けることなのです。

 

 

 

〜心の熱について〜

 心の熱についても考えてみましょう。心の熱とは、行動や思考に対する自分自身の「理想」と「現実のズレ」によって生じる摩擦熱のようなものです。つまり「こうあるべき」という理想から現実がずれてしまうことに対して、人間はストレスを感じ、心の熱を生じてしまうのです。例えば子どもに「こうなってほしい!」という思い(理想)から、実際の子どもは良くも悪くもズレていきます。それを自分(親)の設定どおりになるように修正しようとすると、そこに摩擦熱が生じ、怒りという熱を生じてしまいます。

 

 いま親となった方々も、子ども時代に一番されたくなかったことは、自分自身の価値観や生き方を、親の設定に合わせさせられて生きることだった方も多いのではないでしょうか。「ありのまま」の子どもを受け入れて、そこから自分自身で自分なりの解決をするのを見守り手助けする、つまり親側の設定をゆるめることで、心の熱が生じにくくなります。宿題(勉強)・遅刻が、親子ゲンカの二大原因ですが、社会に出て失敗する前に、幼少期に失敗をさせて、子どもたちが自主的に自分で修正するのを見守ってあげてください。

 

 一方で、親御さんが、自分自身に対して「こうあるべき」と設定を強くしてしまい、自分がそこまでできてないと考えることが心の熱を生じさせてしまうこともあります。自分の中に、そうした自分への怒りが生じてしまっている場合は、自分の設定を今一度しっかりと見つめ直して、もう少しゆるめてみましょう。

 

「水」

身土不二。なるべくその土地の野菜を食べて、その土地の近くの水を飲む。
なるべく移動をしない。遅い飲食を控える。


「熱」
早く寝る。睡眠・覚醒リズムを朝を基軸にする。長く眠るのではなく早く寝る。

過剰な動物性脂肪の摂取を減らす。アレルギーの人は毎日とる乳製品を減らす。
自分の心の設定を見直し、自他を監視する世界から遠ざかる。

 

 

 

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